世屋の生態系

風土に育まれ、風土を食べ、風土で作る。 脈々とその営みは続いてきました。 たくましき世屋人の生き様に映る、世屋の風土をご紹介します。

◆大切にしていること◆

チャントセヤファームは、上世屋集落の昔ながらの棚田で、農薬や化学肥料を使わず稲木干しなど地域の流儀を大切にお米作りをしています。移住者でもある小山家が村びとに学びつつ耕作しています。

細いあぜ道しかない棚田には、大きな機械が入れず人力での作業も多くなります。平場の大きな田んぼに比べると、非効率なことは間違いありません。

集落の村人の大半が今も続けている稲木干しなどは、非効率の最たるもののように感じます。

ただ、だからこそ、機械に頼れない部分は村びと同士が協力し合う豊かな働き方が続いてきました。これからも、この豊かさを失わないように、新たなものも取り入れつつ受け継いでいきたいと考えています。

◆土着したお米◆

自然栽培や不耕起など様々な農業のあり方が言われています。私たちは、農薬や化学肥料は使いませんが、「農法」にはこだわっていません。

ただ、素直に土と作物を観察し、人間のサポートが必要であれば、必要な分だけサポートする。地域の風土を生かし切る。圃場整備されていない多様な土質・水環境の田んぼごとの特性を理解する。そうすることで、その地域、その圃場ごとの特徴が表現された土着したお米「世屋らしいお米」を育てたいと考えています。

◆豊かな農地生態系と農業文化◆

上世屋周辺は、ブナ林をはじめとする森林に恵まれ、国定公園にも指定されています。山々から流れてくる水や、何もしなくても田んぼに落ちてくる枯れ葉などは田んぼを豊かにしてくれます。素掘りの水路や湿地など、多様な生物が育つ環境があり、良い土壌を育むうえで欠かせない多様な生き物も私たちにとっては大切なものです。

また、「昔ながら」を大切にする村人によって守られてきた工芸や農業技術が色濃く残り「にほんの里100」にも選ばれています。虫よけに、束ねた藁をくすべて背中にしばって鎌であぜ草刈りをするおあばあさん(テルミさん)がいる風景は、わたしたちにとって貴重なものです。村びとから、それらを日々学びながら農業をすることで、自分自身もこの土地に土着していくような根太い幸福感があります。

◆美味しく安心◆

土着したお米作りが私たちの目標です。美味しさや安全はそこを目指す延長線上に自然とあるのが理想です。食べて味わう美味しさは、どんな言葉の説明よりも上世屋を語ってくれると信じ、上世屋の一農民として力を尽くしたいと思っています。