トオルさん

トオルさん上世屋住民/ 棚田農家、工房「合力」

トオルさん

それぞれの人の視点から、世屋の風土とそこでの暮らしや思いに焦点を当てる「世屋人への10の質問」。今回は元郷土資料館の学芸員で、藤織りや紙漉き、棚田で米作りなど多彩なものづくりに取り組む井之本泰(いのもととおる)さんに質問をしてみました。

プロフィール

名前:井之本泰
年齢:67歳
世屋に住み始めた時期:2007年
主なナリワイ:無農薬で天日干しのお米をみんなの合力(※)で棚田で作る
趣味:ものづくり

※合力(こうりょく):丹後弁で「手助け」を意味する。上世屋には「合力の家」という古民家を改修した場所があり、多くの活動の拠点となっている。その合力の家も、延べ860人もの合力によって再生された。

①好きな季節は?

全部

②好きな景色・場所は?

山田歩ちゃんの家からの村の展望
銚子の滝の朝の空気

③好きな食べ物は?

ここでとれたもの

④今一番欲しいものは?

時間。終活する時間(笑)

⑤これからやりたいことはある?

終活っていうのは後片付け、資料館時代の図録や資料が有効活用されるための行き先探し。そのリストを作らなかん。それぞれの分野で関心がある人に伝えていきたい。藤織りみたいな手仕事の技術や本も同じで託せる人を探している。

⑥世屋で暮らす上で大事にしてることは?

一番教わったことは、おばあちゃんの腰が曲がってる分、自分がかがんで目を合わせて話すこと。間合いとか空白、呼吸を合わせることが大事。そうやって何回か足を運んでいるうちに、相手が本当に話したかったことが聞ける。

あと地元の人がこの村(上世屋)を長らえてきたことへの、尊敬の念は絶対外しちゃいけない。

⑦世屋に住んでる人ってどんな人柄(イメージ)?

したたか。したたかじゃないと暮らしていけない。

⑧世屋に住んでて一番の思い出は?

ばあちゃん達とのやりとり。この村のばあちゃん達は根っこがあって、優柔不断じゃない。他のところ(地域)を知らないのに自分の行動や判断ができる。「うらはうらや(私は私だ)」という姿勢。ずっと自然と向き合って生きてきたからこその姿勢だと思う。

⑨30年後の村どうなってると思う、またはどういう村にしたい?

今の子供達が世屋に住み続けて、結婚して、また同じように質問を受けてたらいいな。また同じように上世屋の風景を眺めていて欲しい。たくさんの人が住むとか住まないじゃなくて、この風景が続いていったらいいなと思う。

⑩世屋への移住を考える人に一言

好きにしたら(笑)

合力米の棚田の前で。

風土に育まれ、風土を食べ、風土で作る。脈々とその営みは続いてきました。
たくましき世屋人の生き様に映る、世屋の風土をご紹介します。

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