村人になるインターンとは
世屋地区にある移住体験施設「セヤハウス」を拠点に暮らしながら、四季折々のなりわいを自分のペースで体験できるというインターン企画。インターン期間は1泊2日の短期から1ヶ月以上の長期でも対応可能。「週1回定期的に世屋に訪れ、米作りを学ぶ」なんてこともできます。現地のコーディネーターがその時期のナリワイや地域の方を紹介しますので、それを組み合わせて自分のイメージする田舎暮らしの可能性を模索できます。
猟師になる
村人になるインターン、今回ご紹介するのは山を知り、獲物との駆け引きを行う「猟師」。
猟期の始まりは、冬の気配も感じられる11月中頃。この時期はまだ田んぼの作業もあるので、農業と並行して狩猟をすることになります。狩猟がメインとなるのは雪が積もってから。
世屋では罠猟と、鉄砲をもち1人で獲物を追う忍び猟という猟が行われています。
まず狩猟シーズン最初に行われるのがくくり罠猟。山に入って獣道を見つけ、足跡や泥、においなどの痕跡から狙う個体を決めて仕掛けます。仕掛けは毎日見回ります。
年が明け、山の雪も深くなってくると忍び猟が始まります。山の中はイノシシやシカの庭なので、彼らの方が先に自分に気づいて逃げられてしまうこともしばしば。そのため、なるべく自分の気配を消しながら追うのが大事。自分の頭と目と足をフルに使い、獣に出会える機会をうかがいます。
世屋で狩猟を営む小山愛生さんはその魅力についてこう語ります。
山で自力で肉を捕ってくるというシンプルさ、山を知り獲物と駆け引きする猟師たちのかっこよさが魅力でした。猟師は、獣を獲るために獣になります。「こんな雪あったら、あいつらもしんどいんや。上には逃げへん」「冷え込んで寒いやろう。あいつら日当たりのええとこで寝とるわ」。理屈ではなく、獣と人の境界が薄らいでいくようでした。獣に対する尊敬と言えば大げさですが、そんな気持ちも芽生え、ますます、狩猟の魅力にはまってしまいました。
下のリンクの記事には狩猟について小山さんの思いが綴ってあります。是非ご覧ください。
狩猟をナリワウ
世屋では新たな動きとして狩猟をナリワイにするプロジェクトが昨年始まりました。それまではイノシシやシカなどを捕獲しても、食肉に加工できないため付加価値がつけられず、狩猟を主なナリワイにするのは難しいという現状がありました。その課題を解決するため、まずはこのプロジェクトで獣肉解体施設を目指すことに。何回もの話し合いの上、村の理解も得られ、2018年冬、獣肉解体施設「上世屋獣肉店」が完成しました。施設の完成により、獲ったイノシシやシカを食肉として加工・販売するということが可能になりました。すでにこの施設で加工された食肉は丹後の飲食店などで使用されており、冬のナリワイとして猟師という道が現実となってきています。
期間にもよりますが、狩猟から解体、食肉加工まで一連の流れを学ぶことがことができるこのインターン。猟師として生きたいという方はぜひ一度世屋にお越しください。